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考える: 捨てる前に

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この圧力鍋は30年前に義理の弟が学生の時に買って使っていたもので、それをもらい受けて私が使っている。今でも何の支障もなくちゃんとごはんが炊ける。

物の寿命は最近とみに短くなっている。一昔前なら電気製品の耐用年数は十年だった。しかし、今では3年も経てばどこかが故障して、修理しようとすると修理代の方が高く付き、買い換えた方が得なような気にさせられる。

一昨年、我が家の洗濯機が故障したので修理を依頼すると、もう部品がないということだった。そもそもこの洗濯機は14年も我が家の洗濯を一手に引き受けてくれていたもので、途中2度、モーターの回転力を洗濯槽に伝えるためのベルトを交換した。その都度二千円ほどの修理費を支払ったが、メンテナンスはそれだけで済んだ。

このごろはエコ、エコとかしましい。テレビではエコ替えなどと喧伝され、使える物を捨ててまで、エコ(?)な商品に買い換えるようそそのかされる。しかし、捨てた物を処理する際に排出される二酸化炭素の量については何も言われない。

人間活動が今の温暖化の原因であるとされているが、仮にそうであれば、一つのものを修理しながら長く使うという方法は、もっともコストがかからず、効果的だと思うが、政治・経済界の有力者は、経済成長を止めるくらいなら少々暑いのを我慢する方がマシであると思し召しているらしく、この方法を無視している。

仮に人間活動が原因でないとしても、物を捨てたことで発生するゴミは大きな問題であり、修理して使うよりも買い換える方に誘導されるような現在の情報の流し方には大いに疑問符が付く。
by cahiersauvage | 2010-07-08 09:16 | 考える