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本の紹介

ハチはなぜ大量死したのか
ローワン・ジェイコブセン

私たちの口に入る食べ物は、ハチなどの昆虫が受粉をしてくれないと実が出来ない。受粉にはハチが、その体型からもっとも適しているらしい。しかし、そのハチがここ何年もの間減少し続けている。蜂蜜を売ることで生計を立ててきた養蜂業の人も、今はハチの貸し出しで忙しいらしい。

なぜこんなことになったのか、この本はその問題を多面的にとらえて、考察している。ハチ自体についてもかなり詳しく述べられている。重大な原因の一つと考えられているのが、大規模農業だ。例えばアメリカでは、アーモンドを作っている地域では、見わたすかぎりアーモンドばかりしか植えていない。別の場所ではオレンジばかり。このような単一栽培によって、ハチが栄養不足に陥り、死に至る、またはどこかへ行ってしまう。農薬が一役かっているのも想像に難くない。

ここ数年、食に関わる問題が顕在化している。改めて、私たちが口にするものについて、考えてみたいと思う。私たちの暮らし方に警告を発しているのは、何も温暖化ばかりではない。
by cahiersauvage | 2010-05-30 09:17 | 本の紹介