遊びの博物誌
新・遊びの博物誌
坂根 巌夫著

娘たちが保育園や小学校の頃にわたしが読んだ本。

遊びとは何か。その神髄がここにある。こどもたちはお仕着せの形や既成概念にとらわれることなく、身の回りのありとあらゆるもので、遊ぶことができる。これこそ遊び、即ち創造性の原点だ。そんな原点を是非とも確保しなければと思っていろいろな本を購入したが、これはその中の一つだ。目次を見ると、「本でない本」「無限音階」「匂いの地図」「不可能な形」「隠し絵」「歴史の造形」「いたずらペンダント」といったタイトルが並び、エッシャーのだまし絵から、数学者が考案したというゲーム、迷路など、様々な種類の遊びが紹介されている。

自分で作れるものは少ないが、わたしは「回転する蛇腹」というのを作ってみた。円に構成された蛇腹が内側から外側へと回転するというものだ。それぞれの面に絵を描いておくと面白い。

この本は実際に作ってみるための本ではなく、遊びとは何かをつかむための本であり、親や保護者が読んで、自分の暮らしに活かす本だ。

この本は現在絶版になっているが、古書として販売されている。是非おすすめしたい一冊だ。子どもを育てているいないにかかわらず、みんなが楽しめる。ユーモアもある。
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# by cahiersauvage | 2011-02-22 08:40 | 本の紹介
中学校の一年先輩で生物クラブでも世話になった川合はるよしくんが我が町関市の市会議員に立候補した。

中学の時、体育館の入り口にある靴箱のところで「成せば成る、成さねば成らぬ、何事も」と川合君が言ったことを覚えている。放課後のクラブ活動が始まるときだった。どんな脈絡で言ったのか、誰に向かっていったのかすっかり忘れてしまったが、その情景と言葉はずっと覚えている。

私は生物クラブという、蛍を観察して保護するためのクラブに属していて、川合君も一緒だった。後輩のわたしにいろんなことを丁寧かつ理論的に教えてくれた印象がある。中学では一年先に生まれたからといって先輩風を吹かす人が大半だった中、川合はるよし君はそういうことが一切無く、好感が持てた。裏表のない誠実な人、という印象を持っている。

一方、高校も一緒の学校だったが、彼と同じクラスだったわたしの友人の証言によると、彼はある日みんなが普通な意見を述べる中、ひどく突拍子もない答えをまじめな顔をして発言して皆を笑わせたことがあって、彼女もはるよし君のことはよく覚えているという。彼女にとって、はるよし君はユーモアのある人として印象に残っているらしい。

はるよし君はその後ものすごく良い人と結ばれ、その子どもたち三人のうち二人までがわたしの娘と同じ年で、子どもも仲良し、母親同士も仲良しという関係が今も続いている。

あれは保育園に下の娘が入って間もない頃だったと思うが、「ゆったり子育てしてみえるみたいで、いいわねぇ」とにこやかな笑顔で声をかけてくれたのが奥さんの恵子さんだった。このあたりでは知らない人に気軽に声をかけるということは滅多にない。そんな中、親しげに声をかけてくれた人にわたしはすっかりうれしくなって言葉を返したことを覚えている。あれもとても印象的な出来事だった。そのときは彼女がはるよし君の奥さんだとは少しも知らなかったが、類は友を呼ぶということであろう。以後、保育園で会うたびに立ち話をすることが多くなり、子どもを一緒に遊ばせたりして仲良くなった。互いの子供らが独立してうちを出た今は二人で一緒にお菓子を食べながらいろんなことを話す。

市会議員といえば私たちの生活に最も身近であるべき存在でありながら、これまでは誰がなっても私たちには縁の遠い存在だった。その存在を知るときといえば葬式の弔電が読まれるときくらいである。本人が弔電を打つのでなく、係の人が新聞をチェックしてほぼ自動的に経費の中から弔電を打つに違いない。あんまり意味無いなぁと思いながらも、まあそんなもんだ、くらいで深く考えなかった。どこやらの市議会議員団が海外視察に行って、娯楽的な行事も経費で落としたなどというニュースを聞いても、それほど怒れない。そんなことはあるべきではないと知っていながら、あまりにもそういうことが頻繁で常態化しているために、いちいち怒りを表明するエネルギーさえ殺がれてしまっているのだ。そもそも市会議員というのは半ば名誉職みたいなところがあって、その時点ですでにその職が依って立つべき本来の基盤が崩れているように思う。

はるよし君が立候補したという思いがけない話を聞いて、上のようなことを改めて思った。政治は私たちの手で作るべきものだ。

選挙前には前に傾斜していた体が当選したとたんに後ろに傾斜するという議員は多く見られるが、はるよし君は全く別の種類の人間だ。政治家が政治家たるべき視点を彼は持っている。こういう人が当選して、市政に一石を投じてくれることを願う。

川合はるよし つれづれ ブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/kawaiharuyoshi_sight
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キャッチコピーの表現別グラフィックス
発売元:パイ・インターナショナル

一言で人の心をつかむキャッチコピー、言葉好きのわたしにはたまらない一冊だ。これも誕生日のプレゼント。わたしのことを充分理解しているねぇ。もっとも、漏れ聞くところによると本の選択にはずいぶん迷ったらしい。つまらない本を見たときの般若のようなわたしの顔を想像して恐る恐る選んだのか知らん?

この本に説明は要らない。本屋にさりげなく入店し、優しそうな店員がいることを確認し、平置きになっているであろうこの本を手に取り、じっくりと隅から隅まで見て楽しんでもらいたい。
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# by cahiersauvage | 2011-02-19 06:30 | 本の紹介
たまにブログ探検をしてみる。ランダムに見ると圧倒的に多いのは料理と写真、ガーデニング。写真を中心にしているものが非常に多い。言葉に惹かれない限り、わたしはほとんど見ない。まずタイトルに興味を惹かれると文章を読んでみる。いくつも読んで見るが、他の記事まで読んでみようと思うのはなかなかない。

こんなふうにブログ探検をしていてあることに気が付いた。たまにコメントを受け付けていないブログがある。わたしにとって、コメントがなければブログの楽しみは無いに等しい。わたし以外の考え方やものの見方に触れるのは楽しいからだ。なので、どんな人がコメントを受け付けていないのか少し気にして見てみるとある共通点がある。ブログのタイトルに「大学教授の」という言葉があるものが多い。大学教授の見た~、とか、ある大学教授の日常とか。他に著名な人のブログにもコメントを受け付けていないものが目に付く。気のせいか知らん?
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# by cahiersauvage | 2011-02-18 14:46 | 考える
あるシュタイナー幼稚園では水曜日がスープの日。この日は各園児が自分のところで採れた野菜(買ってもよい)を一つずつ持ちより、全部を鍋に入れて茹で、醤油だけで味付けして食べるそうだ。

自然のものになるべく手を加えず用いるというシュタイナー思想を実践したものだ。大人にとってはこのスープがおいしいとはお世辞にもいえないと思うが、ものの原点を知るという意味でとても大切なことだと思う。すべてのものは原点から出発するのであり、大人がうまいと思う複雑な味付けや香辛料をたっぷり使った手の込んだ料理から素材自体の味を知ることは難しい。まだ味覚が確立していないこのころだからこそできることだ。

このことからわたしは子どもの遊びを連想した。例えば複雑なゲームをすると、それができるようになった後に確かに達成感はあるが、それから何が生まれるだろうか。一方、粘土や木や水などで遊べば、子どもの想像力、創造力は限りなく発揮される。粘土や木ぎれは船にもテーブルにも羊にも、それこそ何にでも子どもの思うものに変身できるのだ。うちの子が保育園の頃には板きれのお皿に泥で作った団子やカレーなど、ありとあらゆるものを乗せてわたしに食べさせてくれた。木ぎれも泥の固まりも、子どもたちにとっては本当の皿であり、カレーになることができるのだ。こんな並はずれた創造力はこの頃にしか発揮できない。

ものの味についても、まず素材の味をしっかり確立させることによって複雑な味の組み合わせということが可能になるのではないかと思う。わたしは料理があまり得意ではないので偉そうなことはいえないが、料理の達人はよく「素材の味を生かしたい」といっているから、素材の味を知るということは正しいと思う。

人にはそれぞれの時代にしかできないことがあり、これを大切にしたい。
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# by cahiersauvage | 2011-02-18 08:16 | 本の紹介
子どもの創造力を邪魔しないためというのがその目的だ。なるほどと思う。演出をすればするほどイメージはその演出の範囲に限定される。かねがね、物語をアニメーションにすることに懸念を感じていた。例えば「ハイジ」はもともと字で書かれた物語であり、わたしは子どもの頃に夢中になって読んで、おじいさんの住む山や、屋根裏部屋のハイジの部屋、山羊の乳を搾って飲む光景、それからとりもなおさずハイジ自身も、わたしだけのハイジが存在した。ところがあのようにアニメーションになってしまえば、それを見た子どもの「ハイジ」はすべてがアニメーションに描かれる漫画のハイジになってしまう。これほどつまらないことはない。物語は自分の想像力を思う存分発揮できるところにいいところがあるのに。その結果一人一人にそれぞれのハイジが存在することになる。何でも画一的なものはつまらない。

想像力を含め、子どもの考える力、作り出す力は小さければ小さいほど無限であり、これを限定するようなものは回避したいと思う。
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# by cahiersauvage | 2011-02-17 08:49 | 本の紹介