やまんば 怒る

先日、6年前に買ったファンヒーターが故障したので近くの家電販売店に修理に持って行った。

「修理できるのは5年までなんですが。」という修理担当者の答えを聞いたとたんに、わが胸の内には怒りの炎がめらめらと燃え上がった。5年とはなんだ!

もう何年も前になるが、14年も使った洗濯機が故障したので修理に出したら、さすがにもう部品を製造していないということで修理はかなわず、新しいものを購入した。14年の間に消耗品を二度交換しただけで、何の問題もなく良く働いてくれた洗濯機だ。衣類乾燥機もやはり10年を超えて稼働している。我が家にある電気製品はすべて修理しながら10年以上使ってきたが、この数年というものは新しいものの方が古いものより早く壊れる。修理に出そうとすると、物によっては新品を買うほども取られ、言外に買い換えをそそのかされる。

たとえ家電製品でもあるいはただのプラスチックの箱でも、長いこと使っていると角が擦れたり暮らしの傷が付いたりして味わい深くなり、愛着がわいてくるものだ。新品のものよりわたしは使い古した品物が好き。だから、あちこちを直して少なくとも10年は一緒に暮らしてきたのに、このごろでは5年しか一緒に暮らせないようになったらしい。

実はわたしは、多分みんながびっくりするような記録を持っている。10万キロが寿命であるといわれる車に24万キロを超えるまで何の問題もなく乗ったのである。もっともこれは大いに修理技術者が優秀であったせいだが、10万キロという世間の常識にめげずに大事に乗ったというわたしも偉い!実際、そんなに乗った人は初めてだというので自動車会社のホームページに掲載されたくらいだ。ホンダのロゴである。その後12年物の、今では希少価値さえあると思われるロゴに買い換えて、13年目の今も全く問題なく動いている。

物でも人でも、長く一緒にいると情がわいてくる。ちょっとくらい修理代がかかっても、見ず知らずの新しい物とまた一からやり直すよりも、慣れたものの方がよほど楽だ。こんなわたしの願いも、最近はかなわないものとなりつつある。
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by cahiersauvage | 2011-02-28 08:36 | 考える