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わが先輩 市会議員に立候補す

中学校の一年先輩で生物クラブでも世話になった川合はるよしくんが我が町関市の市会議員に立候補した。

中学の時、体育館の入り口にある靴箱のところで「成せば成る、成さねば成らぬ、何事も」と川合君が言ったことを覚えている。放課後のクラブ活動が始まるときだった。どんな脈絡で言ったのか、誰に向かっていったのかすっかり忘れてしまったが、その情景と言葉はずっと覚えている。

私は生物クラブという、蛍を観察して保護するためのクラブに属していて、川合君も一緒だった。後輩のわたしにいろんなことを丁寧かつ理論的に教えてくれた印象がある。中学では一年先に生まれたからといって先輩風を吹かす人が大半だった中、川合はるよし君はそういうことが一切無く、好感が持てた。裏表のない誠実な人、という印象を持っている。

一方、高校も一緒の学校だったが、彼と同じクラスだったわたしの友人の証言によると、彼はある日みんなが普通な意見を述べる中、ひどく突拍子もない答えをまじめな顔をして発言して皆を笑わせたことがあって、彼女もはるよし君のことはよく覚えているという。彼女にとって、はるよし君はユーモアのある人として印象に残っているらしい。

はるよし君はその後ものすごく良い人と結ばれ、その子どもたち三人のうち二人までがわたしの娘と同じ年で、子どもも仲良し、母親同士も仲良しという関係が今も続いている。

あれは保育園に下の娘が入って間もない頃だったと思うが、「ゆったり子育てしてみえるみたいで、いいわねぇ」とにこやかな笑顔で声をかけてくれたのが奥さんの恵子さんだった。このあたりでは知らない人に気軽に声をかけるということは滅多にない。そんな中、親しげに声をかけてくれた人にわたしはすっかりうれしくなって言葉を返したことを覚えている。あれもとても印象的な出来事だった。そのときは彼女がはるよし君の奥さんだとは少しも知らなかったが、類は友を呼ぶということであろう。以後、保育園で会うたびに立ち話をすることが多くなり、子どもを一緒に遊ばせたりして仲良くなった。互いの子供らが独立してうちを出た今は二人で一緒にお菓子を食べながらいろんなことを話す。

市会議員といえば私たちの生活に最も身近であるべき存在でありながら、これまでは誰がなっても私たちには縁の遠い存在だった。その存在を知るときといえば葬式の弔電が読まれるときくらいである。本人が弔電を打つのでなく、係の人が新聞をチェックしてほぼ自動的に経費の中から弔電を打つに違いない。あんまり意味無いなぁと思いながらも、まあそんなもんだ、くらいで深く考えなかった。どこやらの市議会議員団が海外視察に行って、娯楽的な行事も経費で落としたなどというニュースを聞いても、それほど怒れない。そんなことはあるべきではないと知っていながら、あまりにもそういうことが頻繁で常態化しているために、いちいち怒りを表明するエネルギーさえ殺がれてしまっているのだ。そもそも市会議員というのは半ば名誉職みたいなところがあって、その時点ですでにその職が依って立つべき本来の基盤が崩れているように思う。

はるよし君が立候補したという思いがけない話を聞いて、上のようなことを改めて思った。政治は私たちの手で作るべきものだ。

選挙前には前に傾斜していた体が当選したとたんに後ろに傾斜するという議員は多く見られるが、はるよし君は全く別の種類の人間だ。政治家が政治家たるべき視点を彼は持っている。こういう人が当選して、市政に一石を投じてくれることを願う。

川合はるよし つれづれ ブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/kawaiharuyoshi_sight