人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本の紹介: メディア・コントロール

メディア・コントロール
ノーム・チョムスキー

毎週発表される世論調査。
先週末に発表された内閣支持率は20パーセントほど。
たった8ヶ月でここまで落ちる。しかも、民主党は、半世紀以上の長きにわたる自民党一党支配の後に、やっと誕生した政権。海外メディアも、やっと日本にも民主主義がやってきた、と囃したほどに、日本人が大決断をしたはずだったのに。
普天間は確かに問題のある成り行きだったが、一方で仕分け作業での無駄の洗い出しや障害者自立支援法の改正、などなど、するべきこともしてきた。第一回目の仕分け作業の時はずいぶん支持率が上がったらしい。それがここまで下落するというのは、目の前のテレビ画面に操られて、思考能力を失っているのではないか。
私たちは一日どれくらいの時間、自分の頭で考えているのか。いつもテレビの前で考えていないか。日に何度となく、同じ内容がインプットされるということは、洗脳に似ている。放送する側にそういう意図はないと思うが、問題はこちら側だ。自分自身のフィルタを持っているか。フィルタを持っていないと、目の前に見える情報が未処理のまま頭の中に入り、それが自分の意見になってしまう。

この本を読んだのはもう十年以上前のことだと思うが、いまこそ私たち一般人の、自分に対する戒めとして必要な本だと思う。この本は情報を通していかに人を動かすことが可能か、ということが書かれており、その中の大変興味深い、またなるほど、と思われる一節にこんなのがあった。

ーーあることを国民全体に信じさせようと思うなら、まず知識人を信じさせることだ。知識人はお上のいうことを素直に聞くし、彼らが信じればあとは彼らが国民に広めてくれる。
by cahiersauvage | 2010-05-31 10:35 | 本の紹介